一ノ割の遺産相続と相続税申告の方法をやさしく解説 不動産相続から税理士の費用相場まで

遺産相続と相続税申告については、一ノ割でも面倒な手続きや専門知識が欠かせません。

家やマンションなどの不動産を含む相続では、不動産の評価額の確認や不動産名義変更、小規模宅地等の特例の適用で相続税の負担を減らすことが可能になります。

家族信託や遺言公正証書を利用することによって、争いをあらかじめ防いでおくとともに、相続税の負担を減らすことが可能です。

一ノ割でも、遺産相続での相続税申告というのは大抵の方にとっては難解な手続きなので、税理士などに任せる人が大部分になります。

一ノ割での遺産相続の流れとは?

遺産相続には、遺産分割と名義変更、相続税申告等というようなたくさんの手続きを行います。

一般的な手順は次のようなものです。

被相続人の死亡と相続開始

遺産相続というのは被相続人が亡くなったときにスタートします。

一ノ割でも、最初にすべき事は役所に死亡届を提出し、死亡届受理証明書と火葬許可証を取得することになります。

相続人の確定

遺産分割を始めるために相続人を確定させます。

被相続人の戸籍謄本を生誕から死亡まで調べ上げて収集して、法定相続人を特定します。

相続人が複数人の場合は、全員によって話し合って遺産分割を行います。

遺産内容の調査

遺産相続財産を洗い出して調べ上げて、リスト可していきます。

これらには現金と預貯金と家や土地などの不動産、株券等の有価証券、保険金と借入金などが対象となってきます。

相続税申告に影響してくるため抜け落ちのないように気をつけるようにしましょう。

遺言書の確認

遺言書が残っている場合は、情報に基づいて遺産分割をしていきます。

遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つがあり、もっとも安全性が高いのが公正証書遺言になります。

公証役場にて保護されるため紛失や偽造等のような恐れがありません。

相続放棄や限定承認を選ぶ

相続人は、相続を承認する単純承認だけでなく、限定承認と相続放棄を選べます。

被相続人に多額の借金がある時には家庭裁判所にて相続放棄をすることにより借金負担を回避することが可能です。

遺産分割協議の実施

相続人全員によって協議して遺産分割方法を定めます。

協議の内容を「遺産分割協議書」に記載し、全員で署名・押印します。

この書類は、不動産の名義変更や預貯金の解約等に必要です。

相続税申告と納付

遺産の総額が基礎控除額(3,000万円+法定相続人×600万円)を超える場合、相続税申告をする必要があります。

相続税申告期限は相続の開始より10か月以内になります。

不動産の一ノ割での遺産相続のポイントとは

家や土地などの不動産は、一ノ割でも特に対応が煩雑な相続財産です。

家やマンションなどの不動産を相続したときには以下のようなことに注意が必要になります。

不動産の評価額を算出する

家やマンションなどの不動産の評価額には、一ノ割でも固定資産税評価額と路線価や市場価格等のいくつかの基準が存在します。

相続税の割り出しには、一般的に路線価が使用されます。

不動産の評価額が高いときは相続税負担が増えてくるため小規模宅地等の特例を利用して評価額について減額していく事がポイントです。

相続登記による不動産の名義変更

相続にて家やマンションなどの不動産を得た時は法務局において名義変更の手続きをします。

要求される書類は次の通りになります。

  • 被相続人の戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書
  • 不動産の登記事項証明書

名義変更をしないでいると、不動産を売却するのが厳しくなる他にも、問題が生ずる危険もあります。

不動産を売る場合

相続する家やマンションなどの不動産を売却する場合は一ノ割でもネットの一括査定サービスであれば手間がかかりません。

複数の不動産屋から見積りを受けられるため高い金額で売却することが可能です。

売却した時の諸経費や税金のことも事前に調べることが大切になります。

一ノ割の相続での家族信託とは?

家族信託は一ノ割でも近年注目を集めている財産の管理方法です。

これは信用できる家族に財産管理委任して、そこから得られる利益を受益者で分ける制度になります。

家族信託は、高齢化社会においての認知症のリスクのために効果的です。

認知症の状態になると資産凍結等のリスクがありますが、予め信託契約を結べことで避けることができます。

一ノ割の相続の遺留分は

遺留分は相続人が定められた最低限の財産をもらう権利を保護するための制度になります。

遺言により故人が自らの財産について思う通りに分け与えることは許可されていますが、遺留分はその自由をある程度抑えていく形で設けられました。

法定相続人の配偶者、子ども等がこうした権利を持ちます。

具体的には、相続の財産の一定割合が遺留分とされていて、それを受け取れない遺言が存在した際には、遺留分を取り戻すために遺留分侵害額請求をすることが可能です。

遺留分の役割は被相続人の望みを尊重しながら、相続人の最低限の生活をサポートすることにあります。

遺留分には例外もあり、例として兄弟姉妹には遺留分が存在しません。

これにより、一ノ割でも遺留分についての相続のトラブルもよくあります。

一ノ割の相続についての遺言公正証書は?

遺言公正証書は、被相続人の意思を法的に表すための書面です。

これは、公証役場で公証人が作成し、第三者の証人2名の立ち会いのもとで成立になります。

遺言書は自ら書き残すことも可能ですが形式の欠陥や偽造の危険もあり得るので、遺言公正証書はそういった信用性の点で優位になります。

とりわけ遺産分割の方法が法定相続分とは違った分配にしたい場合には遺言公正証書にしておくとトラブルを事前に防げます。

相続税申告での税理士の役割と一ノ割での費用相場は?

相続税の申告は相続開始より10か月以内にしますが、相続税申告の手続きというのはものすごく複雑になります。

不動産評価、非上場株式の評価、各種控除の適用など、専門の知識が必要になります。

例えば、不動産の評価では「倍率方式」や「路線価方式」を使う等、税務の規定による正確な評価をします。

生前贈与や配偶者控除、小規模宅地の特例などの相続税の節税方法の助言についても税理士の役割です。

税理士の存在は申告の漏れやミスを防止して、税務署からの指摘や税務調査の確率を下げるために不可欠であると言えます。

一ノ割での税理士報酬は遺産の金額などにより変わってきます、下のような金額です。

  • 遺産総額5,000万円未満:20万から30万円
  • 遺産総額5,000万円から1億円:30万から50万円
  • 遺産総額1億円以上:50万円以上

料金以上に節税の効果を引き出せるため、費用対効果は良いといえます。